神道のこころを読んだ感想

先日、日本経済新聞に本書の著者が書かれた別の本が推薦されてた。

その本はなかなか入手できなかったため、本書を注文して読んでみた。

大阪大学医学部出身の医者の方が書かれた神道の本ということで、神道について直感的でなく科学的な記載されるのかと期待していた。

また当方はよく神社をお参りしていて、日本の古来からある日本人の生活に根付いたものであることから、神道についても本書を通じて知ってみたかった。

本書を読んでみた率直な感想は、宗教的だったり過度に神道を美化する内容を除いて、一歩引いたところから書かれた内容を考えて、自分に落とし込む必要があるなと思った。

神道については、宮中に賢所天照大神)、皇霊殿(代々の天皇)、神殿(日本全国の八百万の神)を祀られているように、単一ではなく色々な神様を祀り、他の神を受け入れる懐の深さが素晴らしいと感じた。実際、古来から神道の中で争いはなかったそうだ。

医師としてのバックグラウンドからは、人間の脳が犬や猿と比べて発達し大きくなった結果、鼻が顔から隆起し顔が扁平(犬のように傾きが少ない)になった説は説得力があった。

また病気で入院した男性が、一般病棟で妻と長い時間二人で話し合い関係を深められていたのに、延命治療のため集中治療室に入れられ夫婦間での話ができなくなったことが書かれていた。無理な延命治療ではなく、多少寿命が縮まったとしてもその人がどのように生きるのかが幸せなのかに重きを置くこが大切であると書かれていた。このような考え方が大切にされるといいなと思った。